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Be yourself

Be
your
self

大切にしたいのは
性別などのラベルではなく
自分がどんな人でありたいか

アミティ・ミヤビ

アミティ・ミヤビ

モデル・イラストレーター / ノンバイナリー

Fashion

JUNO:

ジャンルにとらわれず、様々なテイストのファッションを楽しまれている印象のAmityさん。ファッションへのこだわりは?

Amity様:

ファッションで意識しているのは「Timeless」&「Elegance」。過去の時代を生きることはできないけれど、例えば現代に20年代のファッションをしても良いと思うし、その時代に生きていた人たちが持つ素敵な要素を感じながら今を生きてもいいと思う。歴史を学ぶことと、それぞれの時代のファッションに魅力を感じることは似ていて、時代を超えても素敵だと思えるものを纏いたいなと思っています。

JUNO:

すごい…!偶然ですが、JUNOのコンセプトは「Eternal Elegance」なんです。大切にしていることが同じで感動しました!

Amity様:

人はみんな上品さ(エレガンス)を持っていると思うんです。エレガンスは女性に対して使われることが多い気がしますが、全ての人が持っている要素だと思っていて。男性にもエレガンスがあっていいと思います。どちらかだけに当てはめることはできない要素ですよね。

ファッションは特にアバンギャルドなテイストやロックが好きなので、よく黒を着ていました。ただ近年はカラーを取り入れたスタイルにもチャレンジしていて「ファッションは楽しんだもの勝ち!」と、以前より幅広くゆったりと考えるようになりました。

JUNO:

様々なスタイルのファッションは、どこからインスピレーションを得ているのですか?

Amity様:

歴史や音楽から。音楽はとにかく色んなジャンルを聴きます。大学では人にフォーカスした歴史を学んでいたので、過去のことで自分では体験できないからこそ、できるだけ知りたい!という気持ちが強い。だから歴史が好きです。

JUNO:

毎日、すごく幅広いテイストのファッションを楽しまれていますよね。モードなものから、古着も楽しまれていますね。

Amity様:

毎日自分を楽しめるファッションでいたい!1日に数回着替えたりすることもよくあります。その時の自分の気分で、毎日違うテーマでフェミニンからマニッシュまで、ファッションを楽しんでいます。アメリカでFtM(*1)のトランスジェンダーのコミュニティにいたときには男性的なファッションをすることが多かったけれど、日本に来て自身をノンバイナリーと認識してから、それぞれが好きなファッションをしていいという空気感を楽しめていますし、どちらにあてはめなくても楽しめるんだということがわかったんです。

*1 FtM(Female to Male)とは

ノンバイナリーについて

ノンバイナリージェンダー(nonbinary gender)とは、男性と女性の二元的な性別の分類に自分を当てはまらない、または当てはめたくないという考えの性自認(=身体の性ではなく、自分で認識している自分の性)を指します。自分の性別アイデンティティを、男性または女性という伝統的な枠組みにあてはめることなく、自由に定義し、表現します。

自分自身を性別のスペクトラム上のさまざまな場所に位置づけて、男性的な特質と女性的な特質を組み合わせたり、性別に関連する役割や期待にとらわれない方法で生きることを選ぶかもしれません。
分類にとらわれず自分自身を自由に探求し、表現することや、自分自身のアイデンティティを誇りに思い、認めあうこと、そしてコミュニティや社会全体の中で自分がどのように適合しているかを感じることはノンバイナリーの人にとっては特に大切なことだといえるでしょう。

メンタルヘルスカウンセラーのチェルシー・リード医学博士は「男性らしさ、女性らしさが黒から白の尺度で表現されるとすれば、ノンバイナリーはグレーです。自分が思い描く姿に合わせて外見を変えることがあっても、より男性らしく・女性らしくなるために外見を変えることはありません」と説明しています。

THE DRESS

JUNO:

デザインを検討するにあたって、まずは店頭に並ぶウエディングドレスをご紹介させて頂きましたが、ご覧になってみていかがですか?

Amity様:

本当にどれも素敵ですね!とっても迷うし、こんなに近くで見たのは初めてなのでイメージが広がりました。まるでドレスを介して、デザイナー一人一人に会ってるみたい。

JUNO:

そう感じて頂けてとっても嬉しいです!

Amity様:

最近は古いトラディションは捨てようという考え方が叫ばれることも増えてきましたけど、私はそうではない気がしていて。歴史に興味があるのは、その時代の人にしか見えなかったものや考え方が自分にも見える気がするからなんです。大切にしたいですよね。最近はウエディングの歴史にも興味が湧いて、youtubeで動画を見たりしています。アメリカに帰国した際に母のウエディングドレスも見せてもらいました!

ここまでのヒアリングから、デザインのベースはパンツスタイルやカラードレスではなく、
ホワイトのドレスで進めることとなりました。「ドレスでも"Notフェミニン”なかっこよさを表現できる」。
自分らしいディテールを散りばめることで、パワフルさやかっこよさを表現するべく
ここから、ムードボード・デザイン画・生地の提案へと進みます。

Mood Board

JUNO:

ドレスのデザインと、ムードボードです。歴史や音楽・ファッションなど、文化に紐づく様々なものを深く愛されて自由に表現されているアミティさんをイメージしました。ムードボードには、ストリートアートや、ファームの写真家の作品、あるモノを別のモノに再構築しているデザイナーの作品など..!タイムレスなエレガンスや伝統的なスタイルなどをミックスして、新しいアミティさんだけの表現にメッセージを込めてもいいかもしれませんね。

Amity様:

この、テニスボールをシューズに再構築しているデザイナー!私も大好きです。なぜこれを思いつかなかったんだろう。生地でいうと、ムードボードにあるベルベットの生地がエレガンスを表現できそうでいいですね。艶があってロイヤルなテイストになりそう。イメージしてなかったけど素敵です!

この後色々とお話をして、ご本人からもたくさんのアイディアを頂きました。

その結果、トップスはカシュクールのようなオフショルダーに。ウエストには歴史的なファッションを語る際にキーの一つとなる、またアミティさんが特にリスペクトしているブランドVivienne Westwoodをイメージさせるようなコルセットを、あえて表に見せるデザイン。スカートはたっぷりと生地を使ったAラインのドレスをつくることに。

ディテールにはアミティさんならではのゴシック/パワフル/エレガントなど様々な要素を詰め込んで、生地選びにもこだわっていただき、トワル製作に向かいます。

  • ヴィクトリアン調をイメージさせるご自身発案のコルセットをドレスにオンして。仮生地でもオーラを感じます。

  • オフショルダーや、インナースカートのボリューム、丈などの微調整も行っていきます。トータルイメージをつくっていくためにアクセサリーをご覧いただくと、ロイヤルなテイストのティアラをセレクトしてくださいました!

  • スタイリングイメージのひとつとして、椎名林檎さんの昔のアルバムビジュアルにあったような、自由でアバンギャルドなウエディングをイメージしたいと話してくださいました。日本のカルチャーを愛されているアミティさんならではのイメージリソース。

  • ドレス自体には伝統的なロイヤルウェディングの要素を取り入れつつも、スタイリングでは、弾ける感じ、かっこいい感じ、楽しそうなイメージをミックスして表現。完成が楽しみです!

これまでの打ち合わせを経て、
ついにドレスの完成です。

THE DRESSforAmity Miyabi

message for you

ノンバイナリーというジェンダーアイデンティティがあるので
男性らしさも フェミニンな感じも合体させて。
ドレスはとてもフェミニンでありながらも
自分の強さだったり、恰好良さを出せたかなと思います。

ジェンダーもそのほかのことも
自分で自分に制限を設けてしまうことは、
しないようにしています。

人生そのものを楽しめるように
そのときの自分の気持ちやどんな人でありたいかを
大切にしていきたい。

by アミティ・ミヤビ

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